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写性 …SHASEI…
第36章 別れ
「はぁあ…」

「沙絵様、またため息…」

事務局のメンバーは高校になっても写真部に入る。

毎日顧問がくるから、活動は控えめになったけど…


「自信に満ちた美しい沙絵様は素敵だけど、憂いのある沙絵様もそそられるわね。」

「沙絵様のため息の原因は何?」

「コンクールに出展しようと思ってるけど、テーマが決まらない。」

「どの写真の?見せて?」

「へ…まだ撮ってないわよ。テーマをきめて素材を考えないと…」

「はい?
沙絵様、いつもそんなことしてたっけ?」

「いいえ、でもコンクールだから…」

「沙絵様のシャッターチャンスっていつ?」

「私が心動かされた時よ。」

「テーマを決めたとして、テーマになる瞬間を待ってたら、コンクールに間に合わないわよ、沙絵様。」

「そうよ、沙絵様が撮りたいものを撮って、その瞬間を何故チャンスと思ったか、テーマは後付けでいいんじゃないの?」

「え?」

「そうよ。それでどんなコンクールに出すの?」

「新聞社の『学生の主張』」

「じゃあ校内でいいんじゃない。皆でカメラ持って校内探索よ。」


目から鱗とは、このこと…
次の瞬間、事務局メンバーに手を引かれて私は部室を出た。
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