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写性 …SHASEI…
第36章 別れ
「タイトルは『師弟愛』でいただきました。」
思わずシャッターを切っていた。
「あっ…」
部長の固まった表情。
顧問が私に近寄ってくる。今まで意識したことがなかったが、フレグランスの香りに包まれた。
「今の写真はコンクールには出せないよ。
それと、出来た写真を二枚僕たちにちょうだい。」
事務局がいたら、大騒ぎしそうなスクープだ。
やっぱり二人はそういう関係なのだ。
他の先輩方はやり取りに気づかず作業をしていた。
「沙絵様は人間観察力に優れているからね。
それが表れた作品が撮れればいいんじゃないですか?
人の精のような花の写真も素敵ですけど、コンクールのテーマには難しいですね。」
顧問までが私を『沙絵様』と呼ぶ、そして漏れた色香を掻き消すように、皆に聞こえる大きな声でわざと言った。
テーマは人…学生の…
それにはやはり、校内の様子を納めなきゃ。
「「「「ただいま。」」」」
元気よく部室のドアが開かれる。事務局の笑顔が並んだ。
「お早いお帰りで…」
部長はクスクスと笑いながら出迎えた。
「今から書道部と家庭科部にいって、腕章を作ってもらいます。」
帰りには『写真部』という腕章が部員全員に配布され、コンクールに出展するなら腕章をつけて写真を撮っていいという説明がされた。
思わずシャッターを切っていた。
「あっ…」
部長の固まった表情。
顧問が私に近寄ってくる。今まで意識したことがなかったが、フレグランスの香りに包まれた。
「今の写真はコンクールには出せないよ。
それと、出来た写真を二枚僕たちにちょうだい。」
事務局がいたら、大騒ぎしそうなスクープだ。
やっぱり二人はそういう関係なのだ。
他の先輩方はやり取りに気づかず作業をしていた。
「沙絵様は人間観察力に優れているからね。
それが表れた作品が撮れればいいんじゃないですか?
人の精のような花の写真も素敵ですけど、コンクールのテーマには難しいですね。」
顧問までが私を『沙絵様』と呼ぶ、そして漏れた色香を掻き消すように、皆に聞こえる大きな声でわざと言った。
テーマは人…学生の…
それにはやはり、校内の様子を納めなきゃ。
「「「「ただいま。」」」」
元気よく部室のドアが開かれる。事務局の笑顔が並んだ。
「お早いお帰りで…」
部長はクスクスと笑いながら出迎えた。
「今から書道部と家庭科部にいって、腕章を作ってもらいます。」
帰りには『写真部』という腕章が部員全員に配布され、コンクールに出展するなら腕章をつけて写真を撮っていいという説明がされた。