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写性 …SHASEI…
第36章 別れ
授業の前後、休み時間、私は腕章とカメラを首から下げっ放しでシャッターを切る。

いい写真は撮れるが、決め手になる作品が出来ずに焦り始めた。


学校生活は撮れるけど、学生の主張というまでのテーマが見出だせないのだ。


学生は何を主張したいのだろうか…
主張したいことなんてあるのだろうか…

こんなにテーマを探していても、私に主張が見つからないのだから…


学校に行かなきゃ、いい写真が撮れない。
学校に行かなきゃならない義務が重くのし掛かる。


「はぁあああ…」

通学するのも気が重い。
そもそも何で私は学校に行きたいと思ったのだろうか…

気分が沈み顔を上げる。

正門の向こうにそびえたつ校舎が、答えもくれないままで威圧的だ。

楽しい行事もない今、そこに向かう生徒たちも、喜んで向かう足取りではない。

生徒を受け入れる容れ物、そこに意味もなく吸い寄せられる生徒…

友達と楽しそうに話している人たちは、向かう先を見ないままに容れ物に吸い寄せられていくのに気づいていない。


あぁ…

私はしゃがんでローアングルからその風景を写した。
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