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写性 …SHASEI…
第36章 別れ
「うふっ…久々に楽しかったわね。」
「僕は沙絵様のカメラマンへの手助けをしたいんだけど。」
「私の永久就職先の安定は?」
「もちろん確保していますよ。姫…」
部室に残る二つの影が寄り添って私達を見送っているのには気づかず、
事務局メンバーとはしゃぎながら、吸い込まれた正門から勢いよく出て行った。
「うまくいくのかしら…」
「いくわよ。いかせるわよ。」
不安になる私に事務局長が自信の笑みを浮かべる。
何かを企画して実現させることの楽しさを覚える。
学生を成長させるのは学校ではなく人だ。
その原動力は友情という人の意志だ。
一人反対方向の電車に揺られながら、ふと思い出したのは、翔のことだった。
翔、私も少し夢に近づいたかも…
ありがとう。
皆と同じようになりたい。
そんなことから通う訓練を始めた学校。
容れ物は無機質だけど、
そこに集まる意義を私達は見いだしていく。
やりたいことを見つける。カメラマンになる方法を見つける。
まだまだ夢は遠いけど、
翔に教わって切ったスタート地点から、一歩踏み出したような気がした。
「僕は沙絵様のカメラマンへの手助けをしたいんだけど。」
「私の永久就職先の安定は?」
「もちろん確保していますよ。姫…」
部室に残る二つの影が寄り添って私達を見送っているのには気づかず、
事務局メンバーとはしゃぎながら、吸い込まれた正門から勢いよく出て行った。
「うまくいくのかしら…」
「いくわよ。いかせるわよ。」
不安になる私に事務局長が自信の笑みを浮かべる。
何かを企画して実現させることの楽しさを覚える。
学生を成長させるのは学校ではなく人だ。
その原動力は友情という人の意志だ。
一人反対方向の電車に揺られながら、ふと思い出したのは、翔のことだった。
翔、私も少し夢に近づいたかも…
ありがとう。
皆と同じようになりたい。
そんなことから通う訓練を始めた学校。
容れ物は無機質だけど、
そこに集まる意義を私達は見いだしていく。
やりたいことを見つける。カメラマンになる方法を見つける。
まだまだ夢は遠いけど、
翔に教わって切ったスタート地点から、一歩踏み出したような気がした。