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第36章 別れ

｢まぁ、僕(しもべ)の経緯はいいとして、沙絵様の写真を見た美術部顧問に、僕が『この写真どこかで見ませんでしたか？』って言わせればいいでしょ？｣

｢それで、校長がもみ消さないタイミングで職員会議を開く。｣


｢そして、同じ構図で明るい学舎を取った有名な写真家の面子を立てることで、学校のマイナスイメージも倍増して払拭できるとアピールしてよね。｣


最後は司会進行役の部長が顧問を小突きながら締めて終わった。


｢では、タイミングは？｣

｢セミコンクールの作品を準備でき次第、事務局はファンクラブ通信を発信して、作品は部室前に掲示するわよ。

いつできる？｣

｢明日準備で明後日オープン。｣

皆の勢いに負けて恐る恐る聞いてみる。

｢あの、そもそもこの写真が出展作品とは…｣


｢｢｢｢｢｢決まりでしょう。｣｣｣｣｣｣

部員も顧問までもが声を揃えて答えた。

｢まぁ、たまたまとはいえ、これだけ対局した作品がある時点で、これ以外ないでしょう。｣

｢訴える力は十分あります。｣

｢写真家がクレームでもつけようもんなら益々注目を浴びるし。｣

｢沙絵様の作品を世に出すこと自体が私達『学生の主張』ですわ。｣

｢さあ、出展作品がない人は早く校内に行きなさい。｣