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写性 …SHASEI…
第37章 思わぬ障害
「う…いいわよ。
それで、どうしてくれるのよ。」

「どうしましょうか?」

「な、何を言ってるの?」

「いえ、真面目に話してますよ。

侵害された肖像権をどうしましょうか?
どうして欲しいんですか?
と、お伺いしてるんです。」

「そんなこと…わからないわよ。どうしてくれるのよって侵害された方が言っちゃいけないわけ?」

「いいえ、どうにかして欲しいというお気持ちはわかります。
でも、こうして欲しいという要望がおありなら、私たちはその意を汲まないと、和解の道が見えないものですから…」

「私のして欲しいことなんてないわ。
娘があんな形で晒されて、新聞にまで載ってしまって…
それをどうにかして欲しいのよ。」

「あんな形とは、どんな…」

「へらへら笑ってバカのように登校シーンを撮られて。」

「あら、友達がいて会話しながら、楽しく登校するのは良いことではないですか?」

「だって、あの写真は、学校という容れ物だけ作って、そこに学生を入れて安心している。
その体制が日本社会の縮図だという、批判的なものでしょう?
そこに、何も知らずに吸い込まれる学生、なのに娘は呑気に笑ってる。
そういう写真じゃない。」
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