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写性 …SHASEI…
第39章 桜
沙絵の準備の要らないプレゼントが、まさか8年前の約束だとは思わなかった。
あの日を境に無理矢理に引き離した。
お互いにあの日までのことに触れるのを避けてきた。
学校に行けるようになるまで、沙絵がどれだけ大変だったか、
そして写真という生き甲斐を見つけ、僕の元から羽ばたこうという今、
どうして体を重ねる必要があるのか…
やはり父親だけでは足りなかったのか…
娘の体を自ら拓くなんて…
沙絵がそれで自分を取り戻したいという気持ちがわからない。
沙織…それは違うよね。
取り戻すのでなく失うんだよね。
納得はいかないが、最後に僕が出来ることはそれしかないと言われて風呂に入る。
両親を知らない沙絵の本当の父親になれたと思っていたのに…
僕は先に寝室に向かった。
「お父様…抱いて…」
沙絵は薄暗い部屋に入って来て、白い着物の帯を解いていく。
だから白い着物だったのか…
学校に行くようになって、特に中学に入ってから、洋服で過ごしている沙絵が、
今日は学校から帰って来て、ずっと白い着物でいて何故だろうと思っていた。
白い着物で黒塀の外の世界は何もないと言い聞かせていた頃を再現していたのだろうか…
あの日を境に無理矢理に引き離した。
お互いにあの日までのことに触れるのを避けてきた。
学校に行けるようになるまで、沙絵がどれだけ大変だったか、
そして写真という生き甲斐を見つけ、僕の元から羽ばたこうという今、
どうして体を重ねる必要があるのか…
やはり父親だけでは足りなかったのか…
娘の体を自ら拓くなんて…
沙絵がそれで自分を取り戻したいという気持ちがわからない。
沙織…それは違うよね。
取り戻すのでなく失うんだよね。
納得はいかないが、最後に僕が出来ることはそれしかないと言われて風呂に入る。
両親を知らない沙絵の本当の父親になれたと思っていたのに…
僕は先に寝室に向かった。
「お父様…抱いて…」
沙絵は薄暗い部屋に入って来て、白い着物の帯を解いていく。
だから白い着物だったのか…
学校に行くようになって、特に中学に入ってから、洋服で過ごしている沙絵が、
今日は学校から帰って来て、ずっと白い着物でいて何故だろうと思っていた。
白い着物で黒塀の外の世界は何もないと言い聞かせていた頃を再現していたのだろうか…