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写性 …SHASEI…
第39章 桜
「ママ〜絵が変わってるね〜」

「そうね。」

「じゃあ僕、行ってくるね〜」

実を学校に送り出すのに、お屋敷の門の絵のところで別れる。

それは、言えない秘密ではあるけど、実に本当の父親を知って欲しいという思いからだ。

実は案の定、門の絵に興味を示す。やはり絵は好きなようだ。

普通、桜の花は散り始めると同時に葉をつけていくのに、今年の先生の絵は、葉がなく、桜が散って裸の枝になる寂しいものだった。

そして一月もせず塀の絵が変わっていた。

薔薇と百合が描かれていた。


沙絵さんの誕生日は4月で今年18になるんだ。

あの日に約束した通り、二人は愛し合ったのだろうか。

絵はそれを伝えているのだろう。
でも、何故か百合と薔薇は背きあっている感じだった。


やはり、繋がって互いに違和感を覚えたのだろうか。

約束通りであればお屋敷にいくということは、沙絵さんの奴隷になるということ。

先生の一番でなくてもいい。
ワタシはやはり今でも先生を愛している。






ワタシはそのまま、屋敷のインターホンを押した。

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