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写性 …SHASEI…
第39章 桜

「お父様、いずみさんが来たわよ。」
沙絵は嬉しそうだった。
「ああ、本当だ。」
「お父様、私がアメリカに行くことは言わないで。」
「な…んで…」
「いずみさんと本気でぶつかりたいの、変な同情や気遣いはされたくないの。
そして、お父様をまだ愛しているのか確認するわ。」
「沙絵の為に呼んだんでしょう?」
「そうよ。二人の本物の愛を見せて欲しいの。
そうしたら、アメリカに行って私も本物の愛を探せるわ。
でもね、二人に簡単にsexは許さない。
愛がそれだけじゃないのだというなら、証明して。」
「それは…」
「余計なことは一切言わないで。」
「わかった。」
「早く返事をして、いずみさんが帰ってしまうわ。」
返事までの間が長く、ワタシは戸惑う。やはり会うべきでないのかも…
「どうぞ、お入りください。いつものように…」
だいぶ間があり先生の声がする。
それだけで胸がいっぱいになるのに、先生の声は特に抑揚もなかった。
『いつものように』ということは、モニターを見てワタシだとわかったからだろうけど…
不安になりながらも門をくぐる。

