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写性 …SHASEI…
第39章 桜
お父様がいずみさんを抱えて部屋の真ん中に連れていく。

お父様はあの部屋から移設した滑車にいずみさんをくくりつけようとしている。


私はレバーを回し鎖を下ろした。

「貴女が来るまで時間が在りすぎてね。
おかげで色々と準備できましたよ。」



いずみさんが去ったあと、あの部屋を封印すると言って片付けたが、滑車だけはアトリエに取り付けられた。いずみさんが来たら使うつもりで…

お父様はやはりその性癖を隠すことはできないんだ。

ひぃ…

いずみさんの怯える声と表情が私の加虐心をも擽る。

「私が最後にいずみさんに言ったこと覚えてる?」

えっ…

お父様が鎖に縄を通す。
私はすぐさまレバーを回し、いずみさんの体は引き上げられていった。

「ねぇ…覚えてる?」

いずみさんに近づく。
いずみさんはまじまじと私の姿を確認していた。


「沙織さん?」

あの日から克服したお母様の名前で私を呼ぶ。私は腹が立った。

「あははっ…もう縄酔いしてるの?
沙絵よ。母は貴女も会ったことがないでしょう?」


「はい…」

「それで質問の答えは?忘れたの?」


「お、覚えてます。」

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