この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
写性 …SHASEI…
第40章 薔薇の絵
いずみは廊下で挨拶をして、返事がないことを確認して一人帰っていった。
食後、沙絵は先程の写真を現像すると言って、暗室に籠ってしまった。
作業中に光を入れることはできないので、いい逃げ場だと思う。
何を考えているのか、何がしたいのか、会話という手段で解決できないのか…
逃げるつもりはないのかもしれないが、籠ってしまったら諦めるしかない。
僕は庭に出て花木の手入れをする。
綻び始めた薔薇に目が止まり、題材にすることにした。
アトリエで絵を描く、作品に向かうことで気持ちを落ち着けようとした。
沙絵は何か足りないからわざわざ最後の1週間、学校を休んで友達との時間より、僕といずみとの時間を作ったはずだ。
何が欲しいのだろうか。
考えてもわからない。
結局は沙絵がしたいようにさせるか許さないか、
僕たちは受身でいるしかない。
考え事をしながら描きあげた作品は憂いのある薔薇になってしまった。
コンコン…
「お父様いいかしら?」
「ああ、いいよ。」
沙絵が写真を持って入ってきた。
「出来た写真をいずみさんに見てもらいたいから、ここに貼ってもいいかしら?」
沙絵はパネル仕立てにした写真を壁に掛けた。
食後、沙絵は先程の写真を現像すると言って、暗室に籠ってしまった。
作業中に光を入れることはできないので、いい逃げ場だと思う。
何を考えているのか、何がしたいのか、会話という手段で解決できないのか…
逃げるつもりはないのかもしれないが、籠ってしまったら諦めるしかない。
僕は庭に出て花木の手入れをする。
綻び始めた薔薇に目が止まり、題材にすることにした。
アトリエで絵を描く、作品に向かうことで気持ちを落ち着けようとした。
沙絵は何か足りないからわざわざ最後の1週間、学校を休んで友達との時間より、僕といずみとの時間を作ったはずだ。
何が欲しいのだろうか。
考えてもわからない。
結局は沙絵がしたいようにさせるか許さないか、
僕たちは受身でいるしかない。
考え事をしながら描きあげた作品は憂いのある薔薇になってしまった。
コンコン…
「お父様いいかしら?」
「ああ、いいよ。」
沙絵が写真を持って入ってきた。
「出来た写真をいずみさんに見てもらいたいから、ここに貼ってもいいかしら?」
沙絵はパネル仕立てにした写真を壁に掛けた。