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写性 …SHASEI…
第41章 蜘蛛
「作品は子供、シャッターチャンスは出産なんですね。」

「凄いわね、いずみさん。
やっぱり、理解者だわ。出産は経験ないからわからないけど。」

いずみさんの感性に期待して感想を尋ねる。

「それで、『食卓』の感想は?」

いずみさんは素直に感じたままを話してくれた。

「本当に嬉しいわ。私の思いを代弁してるみたい。
今の課題は、これが、万人に伝わるかどうかなのよ。

日本はだめよ。」

「何でですか?」

「カメラにサイレンサーがついてないし、
つまりは肖像権とかモラルとかいって、美意識より優先すべきものが多すぎるのよ。」

「そうなんですか…」


「他のも見てて、今日はお父様が縄化粧するわよ。」

昨日見た最初の日に撮られた、ソファーに膝立ちした背面と前面の対の写真には、『欲情』というタイトルと背面の写真に『表』、前面には『裏』と逆の名前がついていた。

沙絵さんが言うように、感性が近いのかもしれない。欲が現れているのは背面の『表』で現れていないのが前面の『裏』だと昨日見たとき思ったからだ。


昨日、最後にシャッター音を立てて撮られた写真。
テーブルの下で後ろから撮られたものには、

『性奴〜奉仕犬〜』と名付けられていた。

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