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写性 …SHASEI…
第41章 蜘蛛
ここで食事風景というサブタイトルが活きていく。
テーブルの上下で繰り広げられる2つの食事風景、平常のそれと、1枚板の下の異常なそれ。

1枚板、つまり食卓により、身分が、そのあるべき姿が、まさに階級を現すように上下を分かつのだ。

ここでタイトルの食卓がこの写真のテーマであり題材の照準であることが正しいと改めて認識される。

「沙絵様…
写真とタイトルは予め構想をお持ちなのですか?」

いずみさんは感想でなく質問をしてきた。面白い、私は素直に答える。

「いいえ、全てがインスピレーションよ。

まずは、美しい、面白いなど心が動かされたらシャッターを切る。

1枚じゃないのよ、このアングルで撮った写真。」

「そうなんですか、全く気づかなかったです。」

「悪いけどサイレンサーを使わせてもらったわ。
シャッター音を消せるのよ。
意識しちゃうでしょ。

最後の何枚かは、敢えて音を出して意識させたけど。」

「被写体の心理面まで写真にしてるんですか。」

「まあ、そうね。」

「タイトルは後付けよ。
何でシャッターを切りたいと思ったのか、
紙に焼き付けられた瞬間に名前を与えるなら、何としたらこの瞬間を表現できるのか、
考えて名付けるの。」

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