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写性 …SHASEI…
第43章 卒業記念
反対側の脇のラインが描かれ、拡げた腕が創られていく。
これが自分の体なら良かったのに…
先生の筆がなぞるのがワタシであって欲しいのに…
願いが叶うことなく、それは紛れもなく沙絵さんのもので、紙の上に命を吹き込まれていく。
歩を進める潔い内ももから踵まてが一気に描かれていく。
反対の脚も次の一歩に向けて創られた。
先生に創られた足は、真っ直ぐに先生に向かう。
拡げた腕が更に開き、必ず抱き止めてくれる人に抱き付こうとしているのさえわかる。
顔の輪郭が描かれ、艶やかな髪が風に靡きそうだった。
何回も涙が溜まり滲んでボヤかしてくれるのに、流れ落ちてしまった。
でも、ここには涙に気づいてくれる人も居ないし、拭える手もなかったのだ。
出発点となるセーラー服とスカート、その歩みから滑り落ちたタイが一気に描かれた。
「沙絵、下絵が終わったよ。休憩しようか。」
そう、絵を描くことも、描かれることも好きだった。
でも、もしかしたら、休憩の時が一番だったかもしれない。
絵を描き、描かれることで高まった愛を、思う存分ぶつけ合い、重ねて合う時…
互いに絵を放り投げてそのまま愛を貪ったこともあった。
これが自分の体なら良かったのに…
先生の筆がなぞるのがワタシであって欲しいのに…
願いが叶うことなく、それは紛れもなく沙絵さんのもので、紙の上に命を吹き込まれていく。
歩を進める潔い内ももから踵まてが一気に描かれていく。
反対の脚も次の一歩に向けて創られた。
先生に創られた足は、真っ直ぐに先生に向かう。
拡げた腕が更に開き、必ず抱き止めてくれる人に抱き付こうとしているのさえわかる。
顔の輪郭が描かれ、艶やかな髪が風に靡きそうだった。
何回も涙が溜まり滲んでボヤかしてくれるのに、流れ落ちてしまった。
でも、ここには涙に気づいてくれる人も居ないし、拭える手もなかったのだ。
出発点となるセーラー服とスカート、その歩みから滑り落ちたタイが一気に描かれた。
「沙絵、下絵が終わったよ。休憩しようか。」
そう、絵を描くことも、描かれることも好きだった。
でも、もしかしたら、休憩の時が一番だったかもしれない。
絵を描き、描かれることで高まった愛を、思う存分ぶつけ合い、重ねて合う時…
互いに絵を放り投げてそのまま愛を貪ったこともあった。