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写性 …SHASEI…
第43章 卒業記念
先程の放心状態と今回屋敷を訪れてくれたこと両方の意味で僕は言った。

「いずみ…本当によく戻ってきてくださいましたね。」


散々、啄まれた唇が離れても、まだ惜しいと思う。


私は二人きりの世界に嫉妬して声を掛ける。

「沢山いい写真撮れたわよ。」

あっ…

すっかり沙絵さんのことを忘れていた。

いつの間にかセーラー服を着ていたのだ。

先生も同じだったようで、
あっ、と小さな声を出し、慌ててワタシから離れた。

ズルリ…

っはぁ…

んうっ…

カシャッ…

「あははっ…お父様の素の表情ゲットっ…」

父親の行為を見届け、事後の気まずさまで写真に収めたとは思えない明るい声で言うのだ。


「お父様、シャワー浴びて食事の用意するわよ。」

あ、ああ…

情けない姿で手を引かれていく先生。

「いずみさん、写真やお父様の絵を見ていて、15分したらシャワー使っていいわよ。」

二人でアトリエを出ていった。
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