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写性 …SHASEI…
第43章 卒業記念
ワタシは先生の絵のカーテンを開けた。

紙も絵の具も特殊なものなんだろうか…

色褪せずあの時を封じ込めたようにワタシがそこにいる。
悲しいことに絵よりもワタシのほうが色褪せている。八年前の自分はこんなにも綺麗だったのだろうか。

置き去りにされた記憶、心、想いがすべて詰まっていた。

お父様がシャワーを終えたのにいずみさんが来ない。私はアトリエに迎えに行った。


「いずみさん、シャワー浴び損ねるわよ。」

沙絵さんに呼ばれるまで、絵に取り込まれていた。

「沙絵さん、タイトルの意味は…」

「今日は感想は訊かない約束なの。」

今日感想を聞いていずみさんの解釈が良くても悪くても心残りになりそうで聞きたくなかった。

「質問もですか?」

だと言うのにいずみさんはしつこく話しかけてくる。

「そうよ。」


「でも、タイトルの意味する所が知りたいんです。」

解釈を教えたら、感想を聞くより始末におえない。

「だめよ。解説付きの芸術なんてないわ。
正解だってない。
見た人が好きなように感じて、面白いかどうかでいいのよ。」

「でも、ワタシは、沙絵さんが子供たちに名付けた意味が知りたいんです。」

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