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写性 …SHASEI…
第43章 卒業記念
「食事が終わったら、お子さんの絵を見ましょうよ。」

私は筒をサイドボードに置いておいた。

「お子さんの絵?」

お父様まで実くんの絵に興味を示す。

「私達に見せたいんですって。」

「いずみ、どうかしたんですか?」

ワタシは学校での出来事を話した。


「『みんな違うのにみんな同じ絵なんだ。変だよね?』って言うんです。
だから、先生から教わったように鉢を回したり、色んな場所から見ることを教えて描いたのがこの絵なんです。」

いずみさんとお父様を繋ぐ絵に嫉妬してまたイヤミを言う。

「へぇ…面白いじゃない。
芸術家なんて言うけどね。
お父様も私も絵や写真が好きなだけよ。

お父様は口下手の都合にかこつけて、いずみさんを口説いたり、邪推なところがあるけどね。」

「いや、口説く為に絵を使った訳ではないよ。」

「そうかしら?」

「あ…あの、沙絵さん記念に絵を描いてもらってたんですよね。
お誕生日の…」

「記念みたいなものってことよ。誕生日のではないわ。
誕生日なんて好きじゃないもの。」

「自分の誕生日好きじゃないんですか?まだ歳を取るのを気にする年齢じゃないのに?」

ワタシは全く気づいてなかった。

沙絵さんの表情が曇り、先生も俯いた。

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