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写性 …SHASEI…
第44章 三度目の誕生
沙織さんはきっと命と引き換えに貴女を産むことを告げられているはずよ。

貴女を見殺しにして助かる方法があったのかは知らないけど、生まれる前から愛していたから、貴女を産んだのよ。

貴女が生まれるまでの様子を後で先生に聞いてみたらいいわ。」

いずみに言われて気づく。僕が沙絵に話して来たのは、沙織と僕との関係と、僕が主観的に捉えた沙織の記憶。

言葉にするには難しい沙絵の誕生を待ち望んでいた沙織の様子をあまり話していなかったこと。

生まれた当日に至っては、ほとんど僕サイドの思いだけで、命を落とすと知っていながら、幸せな笑みを浮かべていた沙織の様子などは話していなかったことを。



私は目にに溜まった涙が溢れないうちに、手の甲でギュッと拭った。

少し上を向いて落ち着いてから、いずみさんを見て、

「ありがとう。」

と、はっきり言った。

いずみさんに言われてわかった。生まれてきちゃいけない子なんていない。
私はお母様に愛されて生まれたんだと…

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