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写性 …SHASEI…
第44章 三度目の誕生
「沙絵っ」
「沙絵さん。」
二人に咎められる。
先生が話をしようとするのを制してワタシは沙絵さんの目を見た。
「沙織さんのそのままの気持ちはわからないけど、母親の気持ちは、お腹に子を宿した者の気持ちはわかるわ。」
私はいずみさんの目を見つめ返した。
「沙絵さん、好きでもない人の子だからと沙織さんが思っていたら、ご両親の意向通り、貴女を産まないという選択肢があったわ。
弱っていた体で病院から逃げ出してまで貴女を産もうとしたのだから、貴女は望まれない子供ではないわ。
沙織さんに愛されて生まれてきた子供なのよ。」
知りもしないいずみさんに言い切られて私は睨んだ。
「命って、女性の体って不思議よ。
男性を迎え入れた結果、妊娠するわけだけど、
胎内に命があるとわかった途端、母になるの。
相手との問題などより、自分のお腹に命を宿しているということを実感できるのよ。
そこから、まだ生まれてはいない命と母親の関係は始まっているのよ。
出産までの何ヵ月もの間、自分の体を胎児と共有して生きていくの、栄養を分け、胎動を感じ、話し掛けお腹を擦る。
生まれる前から愛されているのよ。
生まれてこなくていい赤ちゃんなんているわけないじゃない。
「沙絵さん。」
二人に咎められる。
先生が話をしようとするのを制してワタシは沙絵さんの目を見た。
「沙織さんのそのままの気持ちはわからないけど、母親の気持ちは、お腹に子を宿した者の気持ちはわかるわ。」
私はいずみさんの目を見つめ返した。
「沙絵さん、好きでもない人の子だからと沙織さんが思っていたら、ご両親の意向通り、貴女を産まないという選択肢があったわ。
弱っていた体で病院から逃げ出してまで貴女を産もうとしたのだから、貴女は望まれない子供ではないわ。
沙織さんに愛されて生まれてきた子供なのよ。」
知りもしないいずみさんに言い切られて私は睨んだ。
「命って、女性の体って不思議よ。
男性を迎え入れた結果、妊娠するわけだけど、
胎内に命があるとわかった途端、母になるの。
相手との問題などより、自分のお腹に命を宿しているということを実感できるのよ。
そこから、まだ生まれてはいない命と母親の関係は始まっているのよ。
出産までの何ヵ月もの間、自分の体を胎児と共有して生きていくの、栄養を分け、胎動を感じ、話し掛けお腹を擦る。
生まれる前から愛されているのよ。
生まれてこなくていい赤ちゃんなんているわけないじゃない。