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写性 …SHASEI…
第44章 三度目の誕生
沙織の死に直面した瞬間。僕の辛い記憶の中に、沙絵が欲しかった母親に抱かれた体験があった。
母親がいない、母親を死なせた。その思いが、愛されていない。生まれて来なければいいと歪み、
自分の生を否定させていたなんて…
傷を舐め合い庇い合うつもりが、傷の中にある大事な記憶を伝え損ねていたなんて…
「そうだったんだ。記憶はないけど、ちゃんと愛されていたんだね、私。
ありがとう、いずみさん。」
良かった。沙絵さんは今までずっと聞けずにいたのだろう。生まれてきていけない子などいない。
自分の存在を認められる。それは重要なことだから…
この1週間をいずみさんと一緒に過ごしたい。
8年前の復讐が主な目的だった。
さらに、実くんへの嫉妬。
お母様と過ごすのを体験したい。
模索のままに過ごした1週間だったけど、期せずして本当に知りたかった自分の生を知ることができた。
本当に、これで心置きなくアメリカに行ける。
いずみさんには2度も誕生させられたのだ。
そのまま静かに食事が終わる。
食器を下げて、そのまま実くんの絵の観賞となった。
母親がいない、母親を死なせた。その思いが、愛されていない。生まれて来なければいいと歪み、
自分の生を否定させていたなんて…
傷を舐め合い庇い合うつもりが、傷の中にある大事な記憶を伝え損ねていたなんて…
「そうだったんだ。記憶はないけど、ちゃんと愛されていたんだね、私。
ありがとう、いずみさん。」
良かった。沙絵さんは今までずっと聞けずにいたのだろう。生まれてきていけない子などいない。
自分の存在を認められる。それは重要なことだから…
この1週間をいずみさんと一緒に過ごしたい。
8年前の復讐が主な目的だった。
さらに、実くんへの嫉妬。
お母様と過ごすのを体験したい。
模索のままに過ごした1週間だったけど、期せずして本当に知りたかった自分の生を知ることができた。
本当に、これで心置きなくアメリカに行ける。
いずみさんには2度も誕生させられたのだ。
そのまま静かに食事が終わる。
食器を下げて、そのまま実くんの絵の観賞となった。