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写性 …SHASEI…
第44章 三度目の誕生
「面白い子ね。私みたいに変わってるわ。」

「沙絵みたいかな?でも、生き生きとした絵だよね。」

「この、重ね塗りは、いずみさんが教えたの?」

「そうです。色鉛筆じゃ色の種類が足りないというので。」

「クレパスとかで描かせたらどうでしょうね。」

「クレヨンですか?」

「いや、クレパスというのがあるんですよ。クレヨンより濃淡が表現しやすいので、幅ができますよ。」


お父様といずみさんが絵の話をする。二人に小さな布石を置いた。
沢山の愛をくれた二人へのお返しとして…

「やっぱり血かしらね。まず見る力があるわよね。
子供なりの手つきだけど、一生懸命表現しようとしてるわよ。」

私は画用紙を持ち上げて見ていた。

「先が楽しみね。」

「そうですね。描くのが好きといってスケッチブックを目を輝かせて見てました。」

そろそろ帰えらなければならない。
帰るのは惜しいけれど…


「そろそろ失礼します。」

「そうね。次は来週かしら?」

私は来週もいるような話ぶりをした。
来週もいずみさんに来て欲しい。お父様のために…


「はい。」

しっかりと返事を聞いて安心した。


いずみさんが応接間を出る。


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