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写性 …SHASEI…
第9章 朝顔
屋敷の庭は季節ごとの花が門の桜から始まり玄関まで順番に咲くように植えられている。
前の持ち主が庭に凝っていたようで、庭木に合わせて同じ頃に咲く花が植えられている。
しかし何故かサルスベリの下には花が植えられてなかった。
夏、8月…
朝顔か…
毎年植えないと咲かないから、空き家の間に絶えてしまったのかもしれない。
朝顔を注文する。サルスベリが赤か白か分からなかったので、葵の涼しげな色にした。
春先に沙絵と種まきをして、育ててきた朝顔が蔓を伸ばして花を持つ。
朝顔の方が先に花開きそうだ。
「お父様、朝顔が咲いたよ。」
水やりの仕事を任せていた沙絵が、キッチンまで来て教えてくれた。
「じゃあ、今日は庭で朝顔を描こうかな。」
「私は野菜の虫取りをする。」
野菜に付く虫を割りばしで取って潰す。
嫌がるかと思ったが沙絵は喜んでやるのだ。
食事を終えて、すぐに庭に出る。
萎む前に、生き生きした朝顔を描き留めたい。
「お父様、裏に行ってきます。」
「はい、行ってらっしゃい。」
ちょっと離れるだけの事をお出かけとはしゃぐ沙絵、外に出さないから仕方ない。
前の持ち主が庭に凝っていたようで、庭木に合わせて同じ頃に咲く花が植えられている。
しかし何故かサルスベリの下には花が植えられてなかった。
夏、8月…
朝顔か…
毎年植えないと咲かないから、空き家の間に絶えてしまったのかもしれない。
朝顔を注文する。サルスベリが赤か白か分からなかったので、葵の涼しげな色にした。
春先に沙絵と種まきをして、育ててきた朝顔が蔓を伸ばして花を持つ。
朝顔の方が先に花開きそうだ。
「お父様、朝顔が咲いたよ。」
水やりの仕事を任せていた沙絵が、キッチンまで来て教えてくれた。
「じゃあ、今日は庭で朝顔を描こうかな。」
「私は野菜の虫取りをする。」
野菜に付く虫を割りばしで取って潰す。
嫌がるかと思ったが沙絵は喜んでやるのだ。
食事を終えて、すぐに庭に出る。
萎む前に、生き生きした朝顔を描き留めたい。
「お父様、裏に行ってきます。」
「はい、行ってらっしゃい。」
ちょっと離れるだけの事をお出かけとはしゃぐ沙絵、外に出さないから仕方ない。