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スローバラードを君に
第6章 蜜月
パンを口の中に一杯頬張りながら真っ赤になり背中を叩いてくる美名が可愛くて、俺は風に揺れる長い髪を掌で弄んだ。
サラサラとこそばゆい感触がして、幸せを実感する。
「もう……!
場所を考えてよ!
外人じゃあるまいし……っ」
怒った様に唇を尖らせるが、本気で怒っていないのは判る。
微かに瞳が潤み、その中には熱が潜んでいる。
「……ねえ、帰って……また抱き合おうか……」
耳に髪をかけながら、そっと囁くとビンタが飛んできた。
ベチンと頬が音を立て、鈍い痛みが走る。
「……」
手で打たれた頬に触れて美名を見るが、美名は顔を歪めると立ち上がり、逃げるように走って行ってしまう。
俺は慌てて脱いで置いてある靴を履き、追い掛けた。

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