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スローバラードを君に
第7章 junk vs シュガースパイス
ヒロヤは薄く笑うと、静かに扉を閉じた。
「……どうやら、付け入る隙間は充分ありそうかな……」
「ヒロヤ君……
本当に助かるよ……」
ジャム店長はカップに淹れた珈琲をヒロヤに差し出し、ヒロヤは笑顔で受け取る。
「いいんですよ。
お世話になったベンジャミンの窮地となれば、助けたくなるのが人情じゃないですか。
それに、ベンジャミンはこの界隈での貴重なライヴハウスです。
ここが無くなって困るバンドマンは沢山居るでしょう?」
ジャム店長は、junkのチケットを眺めた。
「……売れっ子なのに、向こう一月のスケジュールをウチに預けるなんて、よく事務所が許してくれたねえ……」
「企画としては最高ですからね……
シュガースパイスのヒロヤ、恩人の店長と古巣のライヴハウスを救う!
……こういう感動話、日本人は大好物じゃないですか。
ウチに取っても話題になるし、ベンジャミンは経営を立て直す事が出来る……
一石二鳥ですよ」
ヒロヤはカップの中の琥珀色の液体を見つめた。

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