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スローバラードを君に
第7章 junk vs シュガースパイス

そういえば、美名の為に作ったバラードを、まだ彼女に聞かせていない。

美名は、この曲を聞いて何と言うだろうか?


「いいバンドはね、バラードも良いのよ。好き嫌いで可能性を閉ざすなんて、つまらないわ」




初めてこの部屋に彼女を入れた夜に言われた言葉がよぎり、俺は苦笑する。


……俺に見詰められると、直ぐにその目を潤ませて頬を染めるくせに、時に気の強い生意気を言う美名が、愛しくて、恋しかった。





スキャットで甘いメロディーを口ずさんでいると、インターホンが鳴った。




「……はい?」





「……あ、あの」





全身の肌が総毛立った。
インターホンを通して聞こえるその声は、ずっと聞きたかった、恋しい女の子の声だ。






逸る気持ちを必死に鎮めようと、わざと素っ気ない返事をする。





「……何か、用?」
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