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スローバラードを君に
第2章 first love は突然に
「ちゃんとやってるぜ俺だって!無理な事ばかり言うなよ」
ドラムスの弥上 力(やがみ りき)は、明らかにムッとした顔をした。
元々小肥りだが、頬を膨らましてますます膨張して見える。
「そうだぜ!大体がお前の曲はやたらとリズムが速すぎるんだよ!
レベルを考えてくれよな」
ベースの哀川 健(あいかわ たける)はビィンビィンと指で弦を爪弾き、苛立ちで足をトントン小刻みに鳴らし、長い黒髪の間から鋭い目を向けてきた。
俺もカッとなり、ギターを肩から降ろしてステージに乱暴に置く。
その弾みで不協和音が鳴り響いた。
「レベルがどうとか言ってんじゃねえよ!
お前ら、やる気あんのか?
少しは追い付こうだとか、何とかしよう、とか思わないのかよ!」
ライヴハウス中に響く位の大声をつい出してしまった。

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