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スローバラードを君に
第4章 夜明けのファルセット





「バラードのラブソングを歌うのが女々しいとか思ってる?」



さっきまで泣いていた筈のヒメは、挑みかかる様な瞳で俺を見た。



「いや……
junkのイメージに合わないし……
そうだな……正直あんまり好きじゃないかな」



「良いバンドはね、バラードも良いの。
好きとか嫌いとかで自分の可能性を狭くするってつまらないわ」



ヒメはばっさり言った。


俺はムッとして、ヒメの腕を掴み身体を引き寄せる。




「きゃっ」


ヒメの腕からギターが落ちて不協和音が鳴る。



「さっきまで震えてた癖に……」



顎を掴んで見つめると、ヒメの瞳がまた潤んで唇が微かにわななく。



(……可愛い……)



再び強烈な思いで体が熱くなり、ヒメを押し倒した。



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