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スローバラードを君に
第4章 夜明けのファルセット




ヒメは許さないと言いながら、頭を掴んで自ら口付けて来た。


短い触れるだけのキスだったが、俺の真芯に烈しい火が着くには充分過ぎた。


だが深く口付けようと顔を近付けると、ヒメは耳をグイと引っ張った。


「い、いてっ!」



ヒメは頬を染めている。


「……バンドのバラードじゃなくて、私の為に作って」



「……!」



「ダメ……?」



小さな唇の可愛らしいおねだりに、降参するしかなかった。



その夜はギターを片手に夢中でヒメの為のバラードを作っていた。



俺の膝の上にチョコンと頭を載せて、微笑みながらヒメが見つめていた。


「……しょう君……の声……大好きだな……」



「――え?」



ドキリとしてヒメを見たが、既にスヤスヤと寝息を立てていた。
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