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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第6章 少女達の気持ち
「…好きです、先輩。でも、ずっとヒデさんのそばにいて少し気持ちが揺れちゃったんです。
私、悪い子ですね」
「…」
「好きな人に喜んでもらおうと思って、好きじゃない人に触られてたんです。
でも、そしたらその人が優しくて一生懸命で、私のことを好きになってくれて。
私も好きになっちゃったんです」
「……」
「先輩ずるい。何も言ってくれない」
「あ…うん、ごめん」
こんな時には何て言えばいいんだろう。
俺にも触らせてくれ? バカな、それは違うだろう?
今までの人生を振り返ってみても、似たようなシチュエーションですら経験していない、ペラペラに薄い俺の恋愛経験。
後でこのことを思い出してみても、この時美緒ちゃんがどんな表情をしていたか思い出せない。
というよりも、美緒ちゃんの顔を俺は見ていなかった。
勇気がなかった。顔が見れなかったんだ。
「…ごめんなさい。ヘンなこと言って」
さわさわ…また風が吹く。遠くを走る車の音。ドキドキ鳴ってる心臓の音。
いくら待っても探しても、気の利いた言葉ひとつ出てこない。
目の前に俺の言葉を待ってくれている人がいるというのに。
「…分かりました」
寂しそうに言う美緒ちゃん。
「気持ちに整理が付きました。中学からの片思いはこれで終わりにします。
私…ヒデさんのところに行きます」
「美緒ちゃん…」
俺が一歩を踏み出すより早く、美緒ちゃんはくるり、と背を向けた。
私、悪い子ですね」
「…」
「好きな人に喜んでもらおうと思って、好きじゃない人に触られてたんです。
でも、そしたらその人が優しくて一生懸命で、私のことを好きになってくれて。
私も好きになっちゃったんです」
「……」
「先輩ずるい。何も言ってくれない」
「あ…うん、ごめん」
こんな時には何て言えばいいんだろう。
俺にも触らせてくれ? バカな、それは違うだろう?
今までの人生を振り返ってみても、似たようなシチュエーションですら経験していない、ペラペラに薄い俺の恋愛経験。
後でこのことを思い出してみても、この時美緒ちゃんがどんな表情をしていたか思い出せない。
というよりも、美緒ちゃんの顔を俺は見ていなかった。
勇気がなかった。顔が見れなかったんだ。
「…ごめんなさい。ヘンなこと言って」
さわさわ…また風が吹く。遠くを走る車の音。ドキドキ鳴ってる心臓の音。
いくら待っても探しても、気の利いた言葉ひとつ出てこない。
目の前に俺の言葉を待ってくれている人がいるというのに。
「…分かりました」
寂しそうに言う美緒ちゃん。
「気持ちに整理が付きました。中学からの片思いはこれで終わりにします。
私…ヒデさんのところに行きます」
「美緒ちゃん…」
俺が一歩を踏み出すより早く、美緒ちゃんはくるり、と背を向けた。