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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第3章 蘇れ、サッカー部!
 ヒデの号令でサッカー部は再び動き出した。

「僕のこと信じられないかもしれない。でも、練習試合までは僕を信じてほしい。そこで必ず結果を出す。
 もしだめだったら、どうにでもしてくれていい」

 その言葉にみんなが動かされた。

 みんな、きっかけが欲しかったんだ。
 またサッカーに熱中出来るきっかけが。

 勝ち進んだインターハイ予選。
 
 勝つことは嬉しかった。みんなが応援してくれるのも。

 でも、それ以上にサッカーが楽しかったんだ。

 今まではどうやっても勝てなかった。
 それが勝てるようになったのは、ヒデの力が大きかったとはいえ、それでも俺達は創部以来初めての勝利を手にした。

 俺達も全力を尽くした。

 全力でプレイすることの楽しさ。

 どんなに力を尽くしても全く勝てなかった今まで。やりがいを感じることも出来なくなっていた。どんなに頑張っても勝てない現実は俺達のヤル気も奪っていった。

 でも勝てるようになった。俺達だって勝つことが出来た。
 そしたら楽しくなったんだ。

 今まで負け続けて忘れていたサッカーの楽しさを思い出すことが出来たんだ。
 そして、負けて「悔しい」という気持ちも。

 この気持ちを無駄にしたくない。
 やっと楽しくなってきたんだ。やっと自分達の無力を情けなく思えるようになったんだ。

 だからもう一度サッカーに真剣に打ち込みたかった。

 だから、ヒデの言葉にみんながついていった。
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