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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第4章 男子の夏
 ある日、衝撃的な出来事が松茂に訪れた。

 抱きかかえたゴンを女性に帰そうとした時だった。
 女性にゴンを抱えた腕を伸ばし、その手から女性が胸元にゴンを抱き寄せる。

 その時に、女性の胸にちょっとだけ手の甲が触れた。

 ほんの少し、本当にちょっとだけ。

 しかしそれでも、胸の柔らかさは十分、松茂に伝わった。
 犬や猫の柔らかさとは違う、その感触は松茂にとって初の感触だった。

 以来女性と会い、ゴンが松茂に抱かれたがってくれたら、必ず胸タッチのチャンスをうかがうようになった。
 上手くいく時もあれば、上手くいかない時もある。

 体力作りのためのランニングだ。不純な目的があったわけではなかった…はずだった。

 何かタイミングが合わないのか、女性と出会えない日もある。
 ゴンには会えても、ゴンが連れて来るのが女性ではなく、両親と思われるおじさんやおばさんの日もある。

 そんな日は何となく意気消沈して過ごす。ゴンは相変わらず可愛いが、やっぱり物足りない。

 女性に会えれば元気いっぱい。もし胸に触れられたりすれば、土砂降りでも台風でも心に大きな太陽が昇ってくるような、そんな気分になれる。

「サッカー部、調子いいんだって? 近所でも評判だよ。今度の試合は応援行ってみようかな?」

 なるほど。

 女性とゴンを見送りながら松茂は考える。

 ヒデの気持ち。ヒデが女性の体を求める意味が分った気がした。 
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