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ひとりごと。
第3章 ティーカップ
今日は、娘の行事で出掛け、
帰りは娘と別々に帰ったので、
私は、久しぶりに一人で
ぶらぶら。。。
最近、ずっと行きたかったお店に、
ここぞとばかりに乗り込む!
雑貨店
色んな種類の紅茶、
ティーセット、小さな砂時計……
ひとりきゅーんきゅーんしながら、
店内をゆっくり愛でる☆
そうだ!
自分のご褒美に、
ご機嫌なティーカップ買っちゃおう!
なんて、テンションも上昇↑↑
そんな私の横で、
『これ、贈り物にできますか?』
男性が店員さんに声をかけていた。
私は、紅茶の香りテスターをかぎながら、
ちらりと横目で、男性の様子を伺った。
男性は、真っ白なティーカップを手に取り、
店員さんにあれこれ聞いている。
『はい、ペアで…』
へぇぇーー!
ペアで買っちゃうんだ!
プレゼントなんだ!
そっから、私の意識は、
男性とティーカップに集中。
彼女さんに贈るのかな……
ペアってことは!
ふたりでティータイムとかするんだよね……
あっ、そうか!
明夜、お月見だから、
一緒にお団子食べながら、お茶するのかな!
いやいや、お団子なら、
紅茶じゃなくて、
お抹茶とか煎茶かいいよね
ひとり勝手な妄想は、
止まらない…
きっと顔も緩んでたはず……
男性は、メッセージカードまで書いて、
手持ち無沙汰にラッピングを待っていた
そんな光景にも、
ほっこりさせられ、
ご褒美を選ぶことも忘れて
足取り軽く家路に向かった。
結局、何にも買わなかったけど、
いい場面に居合わせなぁ、
勝手な妄想ばっかだけど。
あの男性、
もうプレゼント渡したかな
ティーカップ使ったかな
彼女さん、どんな顔したかな
そんなことを思うだけで、
満たされる夜です……
2015.9.26