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クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
※ ※
一応は次の日の昼休みのことも、少しだけ触れておきたいと思う。
僕ら『D3』の三人は弁当を持ち寄り、いつもに場所に集まっていた。だけど弁当を食べる間、僕らはいつもと違って口数が少なくって。僕と三生だけでなく、心なしか要二まで元気がなかったように思えた。
でもこの時点で僕が気に止めていたのは、やっぱり三生の方。昨日のショックを引き摺ってないかと、それを確かめておきたかった。
だけどそれを聞くわけにもいかずに、僕はその様子を何となく窺う。三生は黙って弁当を食べている。日頃から大人しい奴だから、それだけで変だとは思わないけれども……。
「なに……?」
視線に気がついた、三生に訊かれ。
「あ、ううん。別に――」
僕は咄嗟に、そう答えた。
その時、僕と三生の間に流れた、微妙な空気を察したのだろう。要二が、僕たちの顔を交互に眺める。
「今日のお前たち、なんか変じゃねーか?」
そう問われて、素早く反応したのは、三生の方だった。
「そ、そんなことないよ。ねえ――英太くん」
「う、うん。別になんでも」
僕もそう合わせるが、やはり不自然だったみたい。
「いや――やっぱ、変だろ」
訝しげな顔をして、要二はそう言う。
とにかく僕たち『D3』の日常にも、変化が訪れようとしていたのは確かだった。
そんな処で、何だけど。僕からの話は、一旦ここまでとしたい。少し間をおいて来たるべき時には、また改めて話したいと思っている。
このクラスのことは、別の角度から他の誰かが話してくれるはずだ――。
【だメンず――了】