この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
※ ※
その頃、僕の周りでも色々な変化が生じ始めていたみたいだ。
あれだけ仲良くしていた僕ら『D3』であっても、その関係性は何故かギクシャクしたりしている。どうやら英太くんと要二くんの間で、何らかの諍いがあったみたいだ。
要二くんの家庭の事情が発覚したことで、『D3』の関係は元には戻ってはいるけど。結局、要二くんはそのまま休学することになってしまった。
当面、『D3』は僕と英太くんの二人となり、やはりそれは寂しくも感じる。
そんなこともあって、僕は前にも増して赤緒さんに執着するようになっていた。僕の最大の関心事は、その一点に集約されようとしている。大袈裟かもしれないけど、彼女を見守ることだけが僕の生きがいになっているように思えた。
だけどこの前、告白に失敗している僕は慎重にならざるを得ない。もう単に気持ちを伝えるだけでは、駄目なのだと痛感していたのだ。
僕がどれだけ赤緒さんのことを想っているのか。それを示すような行動こそが重要だと、僕はそう考えるようになった。
その為には僕はもっと、彼女のことを知らなければならない。彼女が何を考え、何を望み、何に悩んでいるのか。
それを知り尽くした時こそ、僕が赤緒さんの為にできることが見つかる筈だ。