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クラス ×イト
第13章 ぼウそウ 【喜嶋三生】
そうして前にも増して赤緒さんの動向を追うようになると、僕は新たに幾つかのことを知るとこができた。
最初に気がついたのは、赤緒さんは外泊することが多い、ということ。
学校が終わり夜になると多くの場合、彼女は駅前にあるアパートの部屋に向かう。初めはそれは自宅かとも思ったけど、何日か見守る中で僕はその部屋の主が同年代の女子であることに気がつく。
部屋で赤緒さんを迎えるその人は見知らぬ顔だった。それが誰なのかは調査中だけど、親しげな雰囲気から中学時代の友人とかの類だろう、とは僕なりの推察。
赤緒さんが自宅に帰るのを目撃したのは、彼女を見張るようになって一週間くらい経った頃。その時は、瀬山くんが一緒だった。
僕が確認したのは夜中の一時くらいまでだったけど、結局その夜には瀬山くんが帰った様子は見られなかった。たぶん、泊まったと考えるのが妥当だろう。
別に僕は、そのとこ自体を気にした訳ではない。寧ろ気になったのは、赤緒さんの置かれている環境面だ。彼女の自宅は集合住宅(というのかな)で、正直に言ってそれはあまりにも彼女の普段のイメージに、似つかわしくないように感じている。
もしかしたら、家が貧しいから……あんなことを。後に僕はそう考えるに至ると、胸が締めつけられるような気分だった。
あんなこと、とは――つまり僕が赤緒さんを追い続けた中で知り得た、最も重要に思える事実。
そう、僕は知ってしまったんだ。赤緒さんが、援助交際をしているってことを――。
最初に気がついたのは、赤緒さんは外泊することが多い、ということ。
学校が終わり夜になると多くの場合、彼女は駅前にあるアパートの部屋に向かう。初めはそれは自宅かとも思ったけど、何日か見守る中で僕はその部屋の主が同年代の女子であることに気がつく。
部屋で赤緒さんを迎えるその人は見知らぬ顔だった。それが誰なのかは調査中だけど、親しげな雰囲気から中学時代の友人とかの類だろう、とは僕なりの推察。
赤緒さんが自宅に帰るのを目撃したのは、彼女を見張るようになって一週間くらい経った頃。その時は、瀬山くんが一緒だった。
僕が確認したのは夜中の一時くらいまでだったけど、結局その夜には瀬山くんが帰った様子は見られなかった。たぶん、泊まったと考えるのが妥当だろう。
別に僕は、そのとこ自体を気にした訳ではない。寧ろ気になったのは、赤緒さんの置かれている環境面だ。彼女の自宅は集合住宅(というのかな)で、正直に言ってそれはあまりにも彼女の普段のイメージに、似つかわしくないように感じている。
もしかしたら、家が貧しいから……あんなことを。後に僕はそう考えるに至ると、胸が締めつけられるような気分だった。
あんなこと、とは――つまり僕が赤緒さんを追い続けた中で知り得た、最も重要に思える事実。
そう、僕は知ってしまったんだ。赤緒さんが、援助交際をしているってことを――。