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クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
 それは、水曜日の朝だった。教室に向かう途中で、僕に挨拶して来たのは――市原茜。


「アハ、そんなに構えないでよ。私たち、友達でしょ?」

「あ、ごめんね……つい」


 そんな感じで僕が市原さんと、ぎこちなく会話を交わしていた時のこと――。


「――!?」


 制服のポケットに忍ばせていた携帯が――

 ヴィー、ヴィー。

 そのバイブの振動で、僕に着信を伝えていた。

 只でさえあまり活用してるとは言い難い、僕の携帯。それがこんな朝から着信を告げること自体、少し意外で――それだからこそ、少し嫌な予兆でもあったのかもしれない。


 今回は僕――もう、何度目かになる、乾英太の話――ではあるけども。

 それに深く関わる人、またはあまり関わっていなかった人――『2―C』という名の記号に集められた、クラスメイトたち全員に纏わる話と言うべきかもしれない。

 ともかく、その電話に応じると――


『英太――お前、もう知ってるのか?』


 挨拶も抜きにして発せられたその声は、休学中の去河要二のものだった。
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