この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第14章 カイごう 【乾英太4】
教壇の上で、ふっとため息をつくと――。
「佐川――仮に同じレベルの話なら、俺はもう聞くつもりはないぞ。悪戯に混乱を招いた処で、何の解決にも繋がらないからな」
同じ轍を踏むまいとして、西くんは慎重な態度を崩さなかった。
しかし――
「オイ、委員長――逃げるなよ!」
「……!」
明らかに挑発の意図を孕んだ佐川くんの言葉が、西くんの顔色を変えさせる。
「一体、どういう意味だ?」
「このタイミングの話題として、こっからが本題ってことだよ。去河のことは、話の流れの中でついでに言ってみただけだしな」
「話が見えないぞ。それが何故――俺が逃げてる、という話になる?」
「それは、つまりこの先は……委員長も素知らぬ顔は、できないんじゃないかと思ってさ」
そのやり取りを窺い、クラスメイトたちの空気にまた緊張感が戻る。
でも、西くんは毅然として、その雰囲気にペースを乱そうとはしなかった。
「俺に関係することだと、そう言ってるようだが……。先に明言しよう、俺に後ろ暗いことなど皆無だ」
「へえ……そう」
その西くんと対峙しながら、佐川くんも今度は余裕を崩さない。そして、何かを思い出すように宙を見つめると、こう話す。
「今週の月曜日のことだっけ? ここにいるほとんどの奴が、その場面を見てたはずだけど」
「何のことだ? わかるように、はっきりと話してみろ」
西くんがそう迫ると、佐川くんはニッと口元に笑みを浮かた。
「委員長殿と赤緒礼華様――その二人が、一人の生徒を問い詰めていた。そんな場面が――確かに、あったよなあ」
「佐川――仮に同じレベルの話なら、俺はもう聞くつもりはないぞ。悪戯に混乱を招いた処で、何の解決にも繋がらないからな」
同じ轍を踏むまいとして、西くんは慎重な態度を崩さなかった。
しかし――
「オイ、委員長――逃げるなよ!」
「……!」
明らかに挑発の意図を孕んだ佐川くんの言葉が、西くんの顔色を変えさせる。
「一体、どういう意味だ?」
「このタイミングの話題として、こっからが本題ってことだよ。去河のことは、話の流れの中でついでに言ってみただけだしな」
「話が見えないぞ。それが何故――俺が逃げてる、という話になる?」
「それは、つまりこの先は……委員長も素知らぬ顔は、できないんじゃないかと思ってさ」
そのやり取りを窺い、クラスメイトたちの空気にまた緊張感が戻る。
でも、西くんは毅然として、その雰囲気にペースを乱そうとはしなかった。
「俺に関係することだと、そう言ってるようだが……。先に明言しよう、俺に後ろ暗いことなど皆無だ」
「へえ……そう」
その西くんと対峙しながら、佐川くんも今度は余裕を崩さない。そして、何かを思い出すように宙を見つめると、こう話す。
「今週の月曜日のことだっけ? ここにいるほとんどの奴が、その場面を見てたはずだけど」
「何のことだ? わかるように、はっきりと話してみろ」
西くんがそう迫ると、佐川くんはニッと口元に笑みを浮かた。
「委員長殿と赤緒礼華様――その二人が、一人の生徒を問い詰めていた。そんな場面が――確かに、あったよなあ」