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クラス ×イト
第3章 あこガれ 【山村佳奈】
ううん、そんなのきっと気のせい。私はすぐに、そう思い直す。礼華はそれ以上何も話さなかったけど、だぶん少し照れてるだけ。
とにかく、私は爽快な気分だった。礼華が素直に気持ちを明かしてくれたのは、私を友達だって認めてくれた証に思えて――うん、きっとそう。
これまでだって、一番近くにいた自負はあった。けど、やっぱり。こうして言葉を交わすのは、大事だと思えている。
そんな今の私からすれば、もう一人の話なんてどうでもいい。それはさっき名前を出した――藍山栞のこと。
それでも、一言だけ言うなら藍山栞は『イヤな女』だった。いつも取り澄まして、一人でひっそりと本を読んでいて。そんな意味では、無害とは言えるのかも。
けど、そんな藍山さんのことを、礼華は気に入らないみたい。私にはその訳が、何となくわかっていた。
今、彼女が座る窓際の席には、さっきまで礼華と話していた西がいる。
西は度々そうして、藍山さんにちょっかいを出していた。けど――藍山さんの方は全く、それを相手にしようとしない。
それは何も、西に限ったことではなかった。クラスの(どうでもいい)男子たちの多くは、密かに藍山さんに色目を使っている。
同じクラスにいれば、それが嫌でもわかるくらいに……。
とにかく、私は爽快な気分だった。礼華が素直に気持ちを明かしてくれたのは、私を友達だって認めてくれた証に思えて――うん、きっとそう。
これまでだって、一番近くにいた自負はあった。けど、やっぱり。こうして言葉を交わすのは、大事だと思えている。
そんな今の私からすれば、もう一人の話なんてどうでもいい。それはさっき名前を出した――藍山栞のこと。
それでも、一言だけ言うなら藍山栞は『イヤな女』だった。いつも取り澄まして、一人でひっそりと本を読んでいて。そんな意味では、無害とは言えるのかも。
けど、そんな藍山さんのことを、礼華は気に入らないみたい。私にはその訳が、何となくわかっていた。
今、彼女が座る窓際の席には、さっきまで礼華と話していた西がいる。
西は度々そうして、藍山さんにちょっかいを出していた。けど――藍山さんの方は全く、それを相手にしようとしない。
それは何も、西に限ったことではなかった。クラスの(どうでもいい)男子たちの多くは、密かに藍山さんに色目を使っている。
同じクラスにいれば、それが嫌でもわかるくらいに……。