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クラス ×イト
第16章 しんクロ 《藍山 楓》
「わ、たし……私、が…………?」
赤緒礼華――が、揺れて。
「うわあああああああっ!」
乾英太――が、叫び。
「先生――後で、お話ししたいことが、あります」
触発され――私、藍山栞――は、小さな一歩を踏み出した。
そして――
「西……俺は、ずっと…………お前のことが、好きだった」
瀬山宗助――も、己の道を歩み始めて行く。
数々の想いがぶつかり弾けていった――私たちの教室。
濃密で混沌としたHRも、そうして終っている――。
「……」
でも、瀬山くんと違って。私の一歩は、たったの一歩だから……。
その先にある光景を、見通すには未だ足りない。
だから――これで、三度目。また私は、自分の想いを見つめ、そして――語る。語らなければ、ならない。
それが、私の――藍山栞の物語となり。
そして同時に、その姉――藍山楓の物語を、呼び覚まそうと、していた。