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クラス ×イト
第16章 しんクロ 《藍山 楓》
「藍山――放課後、進路指導室へ……いいか?」
HRの後、私の元に来た北村先生は、そう言い。
「はい……」
私は少し鼓動を高めて、その申し出に頷いた。
先生は、無表情だったけれど――何処か雰囲気は、あるように思えていたから、私は――自分の踏み出した一歩に、見合うだけの覚悟を必要とされてる。
自分で言い出しておいて、今更……。それでも、ようやく動き出した事態に、流されるだけでは、もういられないのだと、知った。
そうして、放課後となり。進路指導室に赴こうとする私を、呼び止めているのは、彼。
「あ……藍山さん」
「……」
それは、私を前に緊張を隠せないでいる、乾くん。その顔を見て、私は少し和らぎ。それでいて、ちょっと複雑な心境にもなるのだ。
楓姉さんの想いの欠片を読み解いてくれた、彼。乾くんは、先生の元に向かう私を、心配してくれても、いる。その気持ちは、たぶんそうだった。
けれども、もう一つ……。私と彼との間には、互いを意識すべき事案が存在。
だから――
「ごめんなさい……」
私はまず、それを――乾くんに詫びて、いる。