この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
クラス ×イト
第17章 エぴローぐ

 喫茶店を出た、礼華は――しかし。


「……」


 一度、その足を止めると、其処に戻ろうかと――迷う。

 自分を闇に貶めた張本人でありながら、今。其処から解き放とうとする、白岩。

 もっと言葉を交わしたいと思ったのは、謎であるその真意を、確かめたかったからであろうか……。


「でも……それは、違う。たぶん……」


 しかし、礼華は囁き――幾度となく、首を左右に振った。

 そして、再びその歩を進めと――やがて、その髪を靡かせ、走り始める。

 もう、振り返らない。そんな心に、殉ずるようにして……。

 そう――確かに、残酷な事情はあった。

 それでも――それを、誰かのせいになんて、しない。

 だから、また――己を解き放つのも、自分自身であるのだと、そう信じるから。



 迷わずに自分の足で走ると、頬を撫ぜつける――風。

 今、礼華はそれを――少しだけ心地よいのだと、感じる。
/579ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ