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クラス ×イト
第4章 けツらク 【藍山栞1】
トイレで具合が悪そうな彼女の姿を見かけ、私は声をかけた。けれど――
「関係ないでしょ! 藍山さんと違って、私には色々あるのっ!」
彼女――山村佳奈は不快さも顕わに、私を拒絶している。
山村さんはいつだって、私に対して怒っているように見えた。何故か敵意を剥き出しにしている。特に身に覚えはないけど、どうやら私が嫌われているのは確かだ……。
それはそれで何となく、わかる気はしてる。
だから――
「そうみたい、ね……」
私はそう言って、山村さんの元を去った。
藍山栞――それが、私の名前。
私がクラスについて話すのだとしたら、少し役不足なのかもしれない。その理由は、私が進んで人と関わりを持つようなタイプではないから。
それでもこんな私だから、わかることもあるらしい。だから少しだけ、感じたことを話してみようと思っている。
そして自分のことも、ほんの僅か話すことになるのだろう。
自分で言うのは変かもしれないけど、私には感情の起伏というものがほとんどない。けれどもそれは、私の生まれつきの性質ではなかった。昔の私は何処にでもいる、普通の女の子だったと思う。
もう、あれから三年――。
あの日を境にして、藍山栞という人間から――何かが欠落した。
「……」
今――あの時の出来事を、遡ることはしない。でも現在の私に深く影響を及ぼしてる以上、それについて全く避けて通るのも無理なのだろう。
「関係ないでしょ! 藍山さんと違って、私には色々あるのっ!」
彼女――山村佳奈は不快さも顕わに、私を拒絶している。
山村さんはいつだって、私に対して怒っているように見えた。何故か敵意を剥き出しにしている。特に身に覚えはないけど、どうやら私が嫌われているのは確かだ……。
それはそれで何となく、わかる気はしてる。
だから――
「そうみたい、ね……」
私はそう言って、山村さんの元を去った。
藍山栞――それが、私の名前。
私がクラスについて話すのだとしたら、少し役不足なのかもしれない。その理由は、私が進んで人と関わりを持つようなタイプではないから。
それでもこんな私だから、わかることもあるらしい。だから少しだけ、感じたことを話してみようと思っている。
そして自分のことも、ほんの僅か話すことになるのだろう。
自分で言うのは変かもしれないけど、私には感情の起伏というものがほとんどない。けれどもそれは、私の生まれつきの性質ではなかった。昔の私は何処にでもいる、普通の女の子だったと思う。
もう、あれから三年――。
あの日を境にして、藍山栞という人間から――何かが欠落した。
「……」
今――あの時の出来事を、遡ることはしない。でも現在の私に深く影響を及ぼしてる以上、それについて全く避けて通るのも無理なのだろう。