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クラス ×イト
第4章 けツらク 【藍山栞1】
私は教室の窓際の席に戻ると、机に入れていた本を開く。学校にいる間は授業中を除き、常にそうして本を読んでいた。
挟んでいた栞を、そっと机の片隅に置く。私はずっと、何らかの物語の途中。それは栞という名前の、その怨念のであるかのようだった。
そんな風に過ごしているから、私に干渉するクラスメイトなんてほぼいない。それでも例外というのは、何処にでも存在してるらしく――。
「藍山――今度は何の本、読んでいるんだ?」
そう話して来たのは、このクラスで委員長をしている――西慶介だ。
彼は何かにつけて、私に声をかけてくる少し個性的な人。別に迷惑だとか、思う訳ではないけれど。愛想のない私を、よく気にかけるものだと感心してしまう。
この時だって、私は――
「……」
黙ったまま、本の背表紙を見せただけ。本のタイトルくらい、言葉で伝えてもいいのかとは思う。だけど西くんの相手にすることに、気を咎める理由が私にはあった。
「ハハ、今度はソッチ系か。流石に古典過ぎて、俺でもちょっと手が出ないな。お前って、本当に一貫性ないよな。最近の売れ筋も、読んでるだろ? 俺が面白いと思ったのは――」
西くんはいつも、ほぼ一人で話を進めてくれる。私はたまに頷けばいい。そんな意味では、相手をしていても楽ではあるけれど――。
どうやら西くんは、私のことが好きみたいで……。
私にとって、それは少しだけ悩ましくもあった。
挟んでいた栞を、そっと机の片隅に置く。私はずっと、何らかの物語の途中。それは栞という名前の、その怨念のであるかのようだった。
そんな風に過ごしているから、私に干渉するクラスメイトなんてほぼいない。それでも例外というのは、何処にでも存在してるらしく――。
「藍山――今度は何の本、読んでいるんだ?」
そう話して来たのは、このクラスで委員長をしている――西慶介だ。
彼は何かにつけて、私に声をかけてくる少し個性的な人。別に迷惑だとか、思う訳ではないけれど。愛想のない私を、よく気にかけるものだと感心してしまう。
この時だって、私は――
「……」
黙ったまま、本の背表紙を見せただけ。本のタイトルくらい、言葉で伝えてもいいのかとは思う。だけど西くんの相手にすることに、気を咎める理由が私にはあった。
「ハハ、今度はソッチ系か。流石に古典過ぎて、俺でもちょっと手が出ないな。お前って、本当に一貫性ないよな。最近の売れ筋も、読んでるだろ? 俺が面白いと思ったのは――」
西くんはいつも、ほぼ一人で話を進めてくれる。私はたまに頷けばいい。そんな意味では、相手をしていても楽ではあるけれど――。
どうやら西くんは、私のことが好きみたいで……。
私にとって、それは少しだけ悩ましくもあった。