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人生苦の方が多いぜぃ!!byヘーラクレース
第17章 ヘラクレスの最期
ヘラクレスが12のお勤めで番犬ケロベロスを連れてくるために、冥府に行った時の事です
途中ヘラクレスは、大勢の亡霊たちに出会ったが、亡霊たちは皆ヘラクレスを見ると怖がって逃げだしました。
ところがその中に一人だけ、逃げずヘラクレスを待ち受けている亡霊がいました。
それはリュドンの王、オイネウスの息子で名高い英雄だったメレアグロスという人の魂でした。
「なんだ?僕に挑もうっていうのかい?」
ヘラクレスはこの亡霊が自分に戦いを挑むつもりなのかと思い、矢を射かけようとしました。
「ヘラクレス、待ってください。あなたにどうしてもお願いしたいことがあって現れました。どうか私の話を聞いてください」
攻撃してこようとしたヘラクレスをメレアグロスは静止させ、更にヘラクレスのそばに来ました。
「実は、私にはデイアネイラというかわいい一人の妹がいます。
私という兄が早死にしたため、妹がどんなに淋しく心細い思いをしているのか。
そのことを考えると私は冥府にいても、心配でたまらないのです。
どうか地上に帰られたら、彼女と結婚してやっていただけないでしょうか。
約束してくだされば、私はもうあなたに保護される妹を、心配せずに済みます」
メレアグロスの身の上話に、涙を流すほど感動したヘラクレスは、
「これほどの男が大切に思っている妹なら、僕の方から頼んででもぜひ妻にしたい」
そしてヘラクレスはメレアグロスの霊に固く約束しました。