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従わない奴隷
第11章 俺とバイトとユウリ

店について
正面にユウリを座らせた

何度も
前髪をさわったり
ストローの袋を
触ったりして
落ち着かないユウリが


かわいい



「なんで今日は
そんなに
腹が減ってんだ?」



「今日は
少し残業をしたので・・・

それから
色々準備していたら
ご飯食べる時間
なくなっちゃって・・」



そう言いながら
ユウリは
自分の爪に視線を落とした


今日は
両手の爪すべてに
マニキュアが塗られていた




「ユウリ?」



「はい」



お前の
その返事が
好きだよ



「マニキュア・・・綺麗だな」




「えっ」



そう言った瞬間
ユウリは
手をグーにして
爪を隠してしまった



「そんなこと・・ないです」



「見えないよ」



「だって」



「見せてみ?」



「おかしいから・・」



「おかしくねぇよ」



「つ、爪が・・・
みんなより
小さくて
おかしいから・・」



「小さかったら
おかしいって
誰が決めたんだ?」




「・・・・・」




俺は
テーブルの真ん中に
右手を出して
手のひらを
上に向けた




「ほら、見せてみ?」



すると
ユウリは

右手をグーにしたまま

ゆっくりと



じれったいくらい
ゆっくりと



俺の右手に
手を近づけてきた



あまりに
じれったくて

俺は
ユウリに
触れられるかもしれない
どきどきが
たまんなくて



でも
じっと我慢して
ユウリの手を
見つめた




そして
ユウリは


やっと
グーのまま



俺の手の平の上に

そっと

左手を乗せた




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