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第16章 ライキさん、ごめんなさい

ソファから
重い腰を上げ

俺は
車のハンドルを握った



夜が明ける前の道は
ガラガラで
スピードなんて
ガンガン出せるはずなのに

俺は
かなり低速で
走っていた


いろんなことを
ぼんやりと
考えていたから…。





奴隷の頃のことを
俺は思い出していた



奴隷を辞める頃の客のことだ。




レイコもそうだが


マリやアサミ

盲目のマサトのことを
思い出していた



みんな



苦しんでた



マリは
別れた男が忘れられず
また抱かれたいと思う衝動を
抹殺するために
俺に抱かれようとした



アサミは
息子との関係に悩み
息子を自分から遠ざけるために
俺に関係を迫った




マサトは
盲目であると言うハンデを
乗り越えようとした



あいつは
ただセックスしたい訳じゃ
なかったんだろーな…と思う


彼女に
当たり前の幸せを
与えたかったんだと…思う


盲目であることで
しなくてもいい努力を
させることが



辛かったんじゃねーかな…