この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真実アイロニー【完結】
第10章 衝動的。
マンションの二階。
築何十年も経ってるけど、最近リフォームしたからか見てくれは綺麗だ。
エレベーターがないのが、ちょっとアレだけど。
二階だから耐えられているようなモン。
これ、最上階だと毎日しんどいと思うな。
鍵を開けると、部屋の中へと案内する。
小早川はおずおずと中へと足を踏み入れた。
やっぱり無表情で何を考えてるのかはわからなかったけど。
「どうぞ。少し汚いけど」
さっきまで掃除してたから、そこまで散らかってはいない。
よかった。掃除してて。
小早川は一度部屋の中を見渡すと、テーブルの前にちょこんと座った。
「思ってたより、綺麗でした」
「本当?よかった。あ、何か飲む?って言っても麦茶しかないけど」
「何でも大丈夫です」
「そう」
俺は麦茶をコップに注ぐと、テーブルに置いた。
俺のと小早川の分。
お礼を込めてなのかぺこっと頭を下げたけど、彼女が麦茶に手を伸ばす事はない。