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真実アイロニー【完結】
第12章 離れても。
「小早川は明日、引っ越しする事になった。
小早川から何か一言、皆に」
「……」
俺がそう言っても無反応のクラスメイト。
そりゃそうだ。
皆引っ越しについては知ってるんだから。
少しだけ顔を俯かせた小早川は。
「……皆は卒業して下さい」
そう、ぽつりと呟く様に言った。
シンっとなる教室。
その時、ガタっと小島さんが立ち上がった。
それと一緒に時任さんも立ち上がる。
二人はメッセージカードを手に持つと前へと移動した。
そんな二人をまじまじと見つめるのは小早川だ。
何が起こってるのかわからないのだろう。
二人は小早川の前に立つと、メッセージカードを差し出した。