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真実アイロニー【完結】
第12章 離れても。

中々大変だったみたいだけど。
文化祭の準備だってあったのに。


文句も言わずに最後までこなしてくれた二人には感謝しかない。


ありがとう、そう告げたら二人はこの学校に一つでもいい想い出あって欲しいじゃんって。
素敵な笑顔で笑っていたんだ。

この二人に頼んで、間違ってなかったなって本当に思った。




そして、今日の帰りのHRの時にそれを渡そうと思っている。
この事は小早川以外全員が知っていた。



「明日までに提出物、出す様に。それと、もう終わるけど…最後に」


小島さんと時任さんの方を見る。
二人はゆっくり頷いていた。


それから、俺は視線を小早川に向けた。
相変わらず、我関せずの状態で窓の外に目を向ける小早川。



「小早川、前へ来て」

「……」



驚いた顔でこっちを見る小早川。
だけど、すぐに無表情になるとスッと椅子から立ち上がり教卓まで歩いてきた。


一度、俺を見てから体をクラスメイトの方へと向ける。
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