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真実アイロニー【完結】
第3章 黒く塗り潰してしまったのは。
俺が誰だかわかってない?
……新入生か?いや、彼女のしてるネクタイが青だ。
青のネクタイは二年生。
小島さんと同級生なわけだ。
って事は。
昨日、休んだ生徒?
すぐに浮かぶのは、空席の女子生徒。
―――――――――小早川玲織奈。
「あ、っと、ここに赴任して来た早乙女です。
まだ名前覚えてないよね」
そう返事をすると、彼女は興味を失くしたのか、踵を返すと歩き出す。
そんな彼女の後を慌てて追った。
「ちょっと待って、君ってもしかして小早川さん?」
「……」
「あ、俺ね、2-Eの担任になったからよろしくね」
「……」
「それで、何でスリッパなの?上履き忘れちゃった?」
「……」
「まだまだ学校についてわからない事あるからさ。
教えてくれると助かるな」
ずっと無視をし続けていた小早川さんだったが、俺がそう言った時ぴたりと足を止めた。
やっと話してくれるのか?と思って、喜んだのも束の間。
「でも、先生は私の事件の事知ってるでしょ?
なら何も教える事ないじゃない。
他はそこらの高校と何も変わらないわよ」